開催期間 平成25年6月21日(金)~30日(日)

 あるお客様のお話しから。

「これが岩木山?」
驚きとともに、頭をかしげた。これがひとつめの疑問。初めて、井上信平・岩木山画をネットで見つけた時の感想だった。
岩木山の中腹に生まれ育った私は「私の」「私だけの」岩木山というものを持っていて、あの時は、井上さんの描く赤い岩木山やくるくるのついた岩木山画は納得しがたいものがあった。でも、ネットで検索してみるとたくさんの人や病院や企業が、井上さんの「岩木山」を購入していた。
「どうしてこんなにもたくさんの人が、この作品に惹かれるのだろう…。」これがふたつめの疑問。(疑問や反発はとてつもない興味の表れだということを後に実感することになるのだが。)
間もなくして、ネット上ではなく本物の作品を観てみたい!と思い立ち、弘前市神田「産直大地」の壁面に描かれているという「岩木山」を観に行った。
「うわ~!!!」(他のお客さんもいるからあくまでも心の叫びおよび感嘆)
それまであんなに疑問や反発を持っていた私は、一瞬のうちにわくわくしてきて井上さんの描く岩木山が持つ言いようのない「力」に包まれた気がした。「井上さんの岩木山をもっと観たい」と思った・・・。

お話しくださりありがとうございます。

 本当に毎日毎日、井上さんの描く「岩木山」といろんな出会い方をしているお客様がたくさんおいでくださっています。「井上さんご本人とお知り合いで」とか、「赤い岩木山の絵をどこかで見て以来気になっていて」とか、「駅でもらったパンフレットに描かれた岩木山の絵に惹かれ、パンフレットを切り取り額縁やさんで額に入れてもらって部屋に飾っている」…などなど。
 きっかけは実に様々ですが、それぞれの岩木山を楽しんでくださっているようです。

 

 

  

 今回の作品の点数は、館内の岩木山画と会場駐車場に期間中停めてあるキャンピングカーも入れると、ちょうど60点。
 お客様おひとりおひとりに「私(だけ)の岩木山」があるようで、岩木山を語らせたらお客様みんなが語り部となることを実感しています。展示してある作品の中でも好みは当然それぞれちがい、「この作品が好き」「この作品の岩木山はこんな感じ」と、とても楽しそうに話してくれます。

 

 

  


 もちろんこのホームページ上で紹介したい、井上さんの「今までのこと」や、今回展示の「作品」などなどたくさんありますが、ありすぎてあふれそうなので、作品はぜひ会場で本物に出会っていただければ嬉しいです。
 また、井上さんの今までのことについては、“11年前に何のつてもないなか、兵庫県から青森に移住してきたとき「岩木山が迎えてくれた」と、岩木山に感謝して岩木山の絵を描くようになった”など、井上さんがオーナー兼デザイナーをしている0172デザイン事務所のホームページ他でいろいろ紹介されているので、そちらでご覧になっていただき、ぜひ当会場では井上さんご本人にお会いしてお話しが聞けたらきっと楽しいです。

 

 私達の岩木山は、穏やかなる時もあればそうでない日もあります。岩木山を仰ぎ見る私達の心が「自分の岩木山」。岩木山は自分の心の中にあるのだと、今回の展示を通し改めて感じました。
 さて皆さんの岩木山はどんな岩木山で、どの岩木山の絵に惹かれるのでしょう。

 

 見応えのある60点の岩木山の中で、もちろん一番人気のある岩木山やほどほどに好まれる岩木山がありますが、今回は、ひっそりと息をひそめている(ように見える)岩木山だけど実はとっても魅力的な一枚を紹介して…
 会場で皆さんにお会いできるのを楽しみにしたいと思います。