昭和の時代は、古新聞や古雑誌はごみに出すものではなく、たまにやってくる「ちり紙交換」のおじさんに渡すものでした。おじさんたちは、スピーカーのついた軽トラで「毎度おなじみの・・・」のフレーズとともに住宅街を回りながら、近所の住民が持ってきた古新聞・古雑誌などの「古紙」をトイレットペーパーやポケットティッシュなどの「再生紙」と交換し、集めた「古紙」を古紙問屋や古書店へ売り、そのお金で交換材料となる「再生紙」を買い、また軽トラで回収に向かうという、出す側(住民)も集める側(業者)も得をする「理想的なリサイクル」を行っていました。
 しかし、時代とともに「古紙」の買い取り価格が安くなり、今ではおじさんたちの姿も見かけなくなりました。「古紙」は今、どういう流れでリサイクルされているのでしょうか。

☆古紙類の分別・回収について

 古新聞や古雑誌、ダンボールなど、家庭で不要になった「古紙」は、それぞれの種類ごとに分別・排出され、次の3つの方法により回収されています。

①行政回収:決められた収集日に排出された「古紙」を行政(藤崎町)がごみ収集車により回収するもの。
②拠点回収:決められた場所(拠点)に「古紙」を排出してもらい回収するもの。
③集団回収:PTAや子ども会などの団体が、保護者や地域住民、関係者に呼びかけて「古紙」を回収するもの。

 これら3つの方法により回収された「古紙」は、古紙問屋(中間処理業者)渡され(売られ)ます。 

☆古紙問屋(中間処理業者)について

 古紙問屋(中間処理業者)は、運び込まれた「古紙」を次の4つの種類に分けて計量し、それぞれの重さに応じて買い取ります。

【①新  聞】:古新聞(※折り込みチラシも含む)
【②ダンボール】:波状に成形した板紙(中しん)の片面または両面に板紙(ライナー)を貼り合わせたもの(※ダンボールのリサイクルマーク⇒
【③紙パック】:牛乳やジュースなどの容器で内側が白いもの(紙パックのリサイクルマーク⇒
 ※内側が銀色などにコーティングされたものは「その他の紙」
【④雑誌・雑がみ(その他の紙)】:古雑誌やコピー用紙、包装紙、ティッシュペーパーの空き箱など(※その他の紙のリサイクルマーク⇒ 

 これらの「古紙」は、製紙原料にならないものや製品不良の原因になるような異物を除去したのち、再生用途の種類ごとに重さ約1トンのベールに圧縮・梱包します。梱包されたベールは、洋紙工場や板紙工場、家庭紙工場など、それぞれの製紙工場の要望に合わせて出荷します。

☆製紙工場(再生)について

 製紙工場に搬入された「古紙」は、次の工程を経て再生されます。

①原質工程:パルパー(大きなミキサーのような機械)に古紙を投入し、繊維状に溶かしたものをさらに洗浄して異物やインクなどを取り除き古紙パルプにします。
②抄紙工程:古紙パルプを紙すきの機会に入れて脱水・乾燥の工程を経て原紙を作ります。
③加工工程:出来上がった原紙は、ロール状にしたり一定のサイズに裁断するなどして、製品へ加工します。

 製品に加工された紙や板紙は、用途に合わせて紙加工工場へ出荷されていきます。

☆紙加工工場(再利用)について

 紙加工工場に搬入された紙や板紙などは、原料となった「古紙」の種類により様々な紙製品へ加工・商品化(再利用)されています。

 このように、家庭から分別・排出された「古紙」は、古紙問屋、製紙工場、紙加工工場を経ながら再生され、また皆さんの家庭へ商品となって戻ります。
 資源を再利用することによって、紙原料のパルプを加工するための森林資源の保護や、ごみを燃やすときに発生する二酸化炭素(CO)の削減、焼却に必要となる化石燃料の節約にもつながります。

古紙リサイクルの3つのポイント

1)正しく分別すること

 再生紙の品質をより良いものにするために正しい分別が重要となります。古新聞や古雑誌、ダンボールなどの古紙類は見た目にもわかりやすく、それほど分別に悩むことは無いと思いますが、「その他の紙」や「雑がみ」はどうでしょう。

◆「その他の紙」や「雑がみ」の代表的なもの
 お菓子や食料品、ティッシュペーパー、靴などの空き箱、カップラーメンやアイスクリームなどの空き容器、包装紙、紙袋、封筒、はがき、フライヤー、カレンダー、ノート、メモ用紙、コピー用紙、トイレットペーパーやラップの芯などがあり、中でも「その他の紙」には、リサイクルマークが付いています。(※製品によっては本体のみに記載している場合やついていない場合もあります。)

◆紙製品でも再生原料にならないもの(禁忌品)
○昇華転写紙(アイロンプリント紙):再生紙に色付斑点があらわれます
○詰物・緩衝材(靴やカバンなど):使用済みの昇華転写紙が多く使われています
○感熱性発泡紙(立体コピー紙):点字印刷物や絵本などの凹凸のついた紙
○臭いのついた紙:石鹸や洗剤の空き箱など
○食品残渣のついた紙:ピザやケーキの空き容器やクッキングシートなど
○粘着物や圧着はがき:のり付きの封筒、親展はがき、シールなど
○カーボン紙類・感熱紙:複写式伝票やレシート紙など
○防水加工を施された紙:紙コップ、紙皿など
○印画紙:写真紙
○箔押しやコーティングされた紙:金銀の折り紙、カップ麺のフタなど

これらの製品は、機械トラブルや製品不良の原因になりますので、絶対に混ぜないでください。
(※ファイルやバインダー、カレンダーなど、金具やプラスチックなどが付いた製品は、必ずその部分を取り除いてください。)

2)きれいに洗って(拭き取って)乾かすこと

 せっかく分別しても、汚れが付いた状態のものが混ざると再生紙に汚れや臭い(異臭)が付着する原因となります。また、濡れたままの状態のものは、放置しておくとカビが発生し、不衛生であると同時に再生紙の信頼が失われてしまいます。

3)古紙から作られた製品を利用すること

 せっかく古紙回収に出して再生しても、利用しなければ意味がありません。リサイクルの輪を回し続けるためにも、生まれ変わった古紙利用製品を積極的に利用しましょう。


「グリーンマーク」:
このマークが付いた製品は、原則として古紙を40%以上(新聞用紙やコピー用紙なら50%以上、トイレットペーパーやちり紙なら100%)利用して作られた製品です。


 
「Rマーク」:
このマークが付いた製品は、古紙パルプがどのくらい配合されているか一目でわかるようになっています。

 ※例

 

「エコマーク」:
このマークが付いた製品は、「資源採取」、「製造」、「流通」、「使用消費」、「リサイクル」、「廃棄」に至る、製品のライフサイクル全体を通した中で、環境への負荷が少なく環境保全に役立つと認められた製品につけられる環境ラベルで、日本環境協会による厳しい基準をクリアし、公平な審査を経て認定されています。

古紙リサイクルセンターについて

 青森県では、紙ごみの資源化をさらに促進するため、古紙回収業者等の協力により、古紙回収事業所内に回収容器を設け、生活系、事業系を問わず、いつでも無料で受け入れできる「古紙リサイクルセンター」を設置しています。お気軽にご利用下さい。

 ☆最寄りの設置場所

設置場所

事業所所在地・電話番号

営業日・営業時間

(株)伸和産業

弘前市堅田1-4-2
℡0172-35-5255

年中無休
8:00~17:00

(株)青南商事
弘前支店古紙センター

弘前市神田5-4-11
℡0172-35-1490

月~土曜8:00~17:00
※土曜は休業の場合があります。
※祝日、お盆、12/30~1/4除く

(株)大同紙業

弘前市川先4-10-1
℡0172-27-5425

年中無休
7:30~16:30
日曜:7:30~14:00

☆回収する古紙の品目
 ①ダンボール、②新聞(折込み広告も可)、③雑誌、雑紙(書籍、紙箱、包装紙、コピー用紙など)、④牛乳パック

☆受入れ費用は「無料」です。

 ※詳しくは、青森県のホームページをご覧下さい。
  http://www.pref.aomori.lg.jp/nature/kankyo/kosirisaikuru-setti.html