開催期間 平成24年6月8日(金)~6月17日(日)

今回は、会員8名による油彩画・日本画・水墨画の作品が26点です。

旧「常盤美術クラブ」が会の名称を「あすか美術クラブ」に改名してから、

今年で7回目の会員展になります。

毎年、楽しみにおいでくださるお客様が増えました。

常盤美術クラブで活動していた時から数えても(発足年詳細不明)

20年以上の活動経緯のある会で

藤崎町と常盤村の合併を機会に、

藤崎地区の美術愛好家の方とも一緒に活動したいとの思いから

名称を「あすか美術クラブ」に改名し活動を続けてきたのです。

今年、ようやく藤崎地区から新入会員の作品の出展がありました。

佐野隆幸さん。(もうすぐ40歳)

武蔵野美大 短期大学部の卒業で

「仕事に就いてからは、忙しくてほとんど絵を描かない生活だった。」と話してくださいました。

しかし、そういう生活に(喉に小骨が引っかかるような)違和感を覚えて

5年ほど前から「自分のやりたいことは、本当は何なのか。」と自問自答し始めたと言います。

美大の予備校時代の恩師や、現在も活躍中の同級生の作品に折りに触れ観るたび

「自分はやっぱり絵を描きたい」と強く思い、

本格的に描くことを再開したのは3年前ということでした。

「やさしい絵だね」と、ご覧になった方から言われたと微笑む佐野さんは、

まさしくそう表現されたように、

優しい性格の方で、それが描く絵に表れるのだと思います。

(絵を描くうえで)「母は精神的な支えでよき理解者」とおっしゃるように

小さい頃から、絵を描くのは好きだったと言います。

しかし

「絵を描く楽しみはどこにありますか。」と投げかけた問いには

きっぱりと

「自分の中にあります。」と凛々しいお顔で

「まあ、自己満足なんですけどね」と微笑まれた佐野さん。

もっともっといろんな作品にチャレンジして欲しいな、と思いました。

来年さ来年と、この会員展を観る楽しみがひとつ増えました。

 

今回、出展の方のお名前を紹介します。

髙木春雄、伊藤郁子、猪股京子、千葉宮子、

中畑光昭、赤石久男、古川義光、佐野隆幸 以上8名。

 

作品の点数は少ないですが、

小品から、100号の大作まであるので見ごたえは充分です。

 

昨年、当館で二人展を開催した赤石久男さんの作品もやはり人気で

多くのお客様が足をとめられ、じっくり鑑賞されます。

右のひとまわり大きな作品が

昨年、権威ある日象展において第38回日象大賞を受賞した「津軽初冬」です。

38回の歴史の中でも、日本画に大賞を授けるのは「初」とのことで、

作品の訴えかけるものがよくわかる迫力のある作品です。

りんごや葉が落ちた冬のりんごの樹をモチーフに描くことの多い赤石さんですが、

「なぜ、りんごの樹、それも冬の風景なのか」うかがったところ

「老木でも、冬にむかってたくましく生きようとする生命力を伝えたい」のだと。

「自分も、老いに入る年齢になっても、まだまだがんばる、という思いに重ねているのかもしれないけど。」と笑っていましたが、

今までは、冬のりんごの樹(園)ばかり描いてきたので、

「これからは春のりんごの花の時期や、秋のりんごがたわわに実っている樹を描いてみたい。」

と抱負を語ってくれました。

ますます、当会員展の今後が楽しみです。

今回は、お二人の作品を中心に紹介しましたが、

まだまだ見ごたえのある作品が並んでいますので、

ぜひ、会場でご覧になってください。

6月17日までです。(9時から16時30分。最終日は15時終了)