開催期間 平成24年8月24日(金)~9月2日(日)

 連日、写真愛好家の方や野鳥や自然の好きなお客さまが

たくさんおいでくださっています。

写真グループグラフィック21(代表 原子鉦満)による

今年で4回目の写真展。(当館での開催は初めて)

出展者は7名で(会員4名、他3名)

野鳥や津軽の風景の写真が55点並んでいます。

 会員の方の写真の一部をご紹介します。

 

「雪に舞う」(コウノトリ) 撮影 工藤俊治

工藤さんは、推定されるお歳は80歳くらいで

ほとんどの写真愛好家の方がデジカメで撮っているなか、

フィルムにこだわって撮っているので、

写真に「重み」があります。

デジカメでは絶対出せない色だったり、技術だったり。

フィルムだと、写っているのかいないのか、現像してみて初めて確認できるのですから

そういう意味では、工藤さんの写真は感慨深いものがあります。

 

 

「孤高」(ヤマセミ) 撮影 葛西日出男

野鳥に詳しいお客さまが教えてくださいました。

冬のヤマセミは非常に珍しいのだと。

そばにいた野鳥写真愛好家の方も、

(冬ではない季節の)木に止まるヤマセミの写真はよく見るが

この写真は、枝に積もった雪の上に止まっている瞬間を見事に撮っている・・・と。

同じ野鳥を撮るものとしては、羨ましくもあり、

実は非常に悔しいのだと笑っておられました。

撮影した葛西さんによると、

このシャッターを切った直後に、この雪がとけて落ちてしまい

一緒に撮影に行ったお友達は、その一瞬を逃し非常に悔しがっていたとか。

 

 

野鳥の写真を撮るには、野鳥の生態をよく知り

自然を撮るには、自然をよく知ること、そして

四季のうつろいを感じる心が大切なのかもしれない・・・と、

写真を観ながらお話をお伺いしていて、つくづく感じます。

 

 

「雨上がり花びら」 撮影 原子鉦満

 

水面一面に散った花びら。

水面に映る黒い桜の幹に、あたかも満開の桜のようにも見える一枚。

桜の花のこの散り方も、実はどしゃ降りの雨あがりでなければ

こういう散り方にはならないのだそうです。

どしゃ降りの雨上がりに、「もしかして・・・」と出かけて撮った1枚なのだそうです。

原子さんに聞いてみました。「うわあ!って感動する風景に出会い、

この感動をデジカメなり携帯のカメラに残そうとシャッターを押しても、

感動が全然伝わらない平面的な写真しか撮れなくて、がっかりする時があるのですが。」と。

すると原子さんは、いつも「奥行き」を大切に撮影しているのだと話してくださいました。

 

 

「残雪」(八甲田) 撮影 原子鉦満

この1枚を例にとると、奥にうっすらと霞んでいる霧があるから

この写真が生きるのだと。これが奥行きなのだと。

 

 

今回展示しているどの写真にも、ドラマがあり、解説をつけたいところですが、

やっぱり会場で出展者の方から直接、お話を伺うのが楽しいです。

 

 

「カワセミ」 撮影 川村光廣

よく見ると、カワセミの尾が「シガマ」(津軽弁で「ツララ」のこと)になっている

珍しく貴重で実に楽しい1枚。

カワセミの目線が下を向いていることから、

餌の魚を待って川面をじっと見ているうち、

尾が枝に凍りついたのであろう・・・と。

背中についた雪がカワセミ自身の体温で解け、それが尾にたまって凍ったのでしょうか。

「凍み具合からすると、魚を待って20分はじっとしていたのだろう。」

このカワセミが何とも愛おしく感じてしまう1枚でした。

 

もっとご紹介したいのですが、

ぜひ会場で他の作品をご覧になってください。

ご来場をお待ちしております。